1位
85勝 53敗 5分
ヤッタデー!
岡田彰布(65)
1位
85勝 53敗 5分
*順位は月末のもの
打率 | HR | 防率 | 盗塁 | 失策 |
.247 | 84 | 2.66 | 79 | 85 |
順 | 位 | 選手名 | 齢 | 打率 | HR | 点 |
1 | 中 | 近本光司 | (28) | .285 | 8 | 54 |
2 | 二 | 中野拓夢 | (27) | .285 | 2 | 40 |
3 | 左 | ノイジー | (28) | .240 | 9 | 56 |
4 | 一 | 大山悠輔 | (28) | .288 | 19 | 78 |
5 | 三 | 佐藤輝明 | (23) | .263 | 24 | 92 |
6 | 右 | 森下翔太 | (22) | .237 | 10 | 41 |
7 | 捕 | 梅野隆太郎 | (32) | .194 | 1 | 19 |
8 | 遊 | 小幡竜平 | (22) | .282 | 0 | 8 |
順 | 位 | 選手名 | 齢 | 防率 | 勝 | 敗 |
9 | 投 | 青柳晃洋 | (30) | 4.57 | 8 | 6 |
*数字は2023年シーズンの成績
第2次岡田阪神の1年目シーズン。
覚悟の岡田阪神、前監督を全否定
首位ヤクルトと12ゲーム差に終わった前年の矢野燿大監督に代わり、岡田彰布が2度目の阪神タイガースの監督に就任。2008年シーズン以来、15年ぶりの阪神監督復帰となった。
矢野前監督を完全に否定することからスタートした岡田阪神。その言葉どおり、虎メダルは即日廃止となり、日替わりだった打順はほぼ固定された。守備位置も同様に複数ポジションを守らせる前監督の方針から大きく転換した。
よぎる開幕、びびる監督
そして迎えた2023年シーズン。開幕戦で5点リードするもDeNAが猛追撃。これには前年の開幕戦で7点差を大逆転された悪夢がよぎった。
何とか逃げ切り、監督復帰初戦を勝利した岡田監督も「よぎった、よぎった」と試合後に連呼。ドキドキの開幕戦だった。
笑ってはいけない甲子園
そんな、よぎりながらの開幕戦勝利から4連勝と好スタート。その後も投打が異常なほどに噛み合い、首位を一気に独走した。
好調過ぎるチームに阪神ファンはニヤニヤ。しかしベンチの岡田監督は開幕前に口にした「試合中に笑う必要はない」の言葉通り、厳しい表情で戦況を見守った。
大逆転の一発にも静かに喜びをかみ締めた。
しかし、あまりにも順調に勝ち進むチームに岡田監督の表情が崩れることもあった。
ルールを掲げた手前、笑うわけにもいかない監督。そんな時には自らの感情を押さえ込むかのように腕を組み、躍動する選手たちを見つめた。
だが、孫のような歳の選手がピンチを抑え続け、チャンスには打ちまくり。こんな状況を我慢できるはずもなく。
テレビに映し出された監督は、いつも、完全に、完璧に、心の底から、誰よりも笑っていた。
「あんた、試合中に笑ろたらあかん言うてたやん」と全関西人が突っ込む中、昭和生まれのベテラン監督は必死に笑いをこらえ、不自然な真顔に戻し、無理やり険しい顔を作り采配を振るった。
だが、
7連勝
負けを1つ挟んで
9連勝
16試合で一気に貯金15。ついにブレーキが崩壊した。
ベンチには、チンパンジーのように歯をむき出しにし、感情もむき出しにして手を叩き大笑いする指揮官の姿があった。
全く失速することなく優勝
宣言した人間が率先して破る決まりなど守られるはずも無く、ベンチはお笑いの劇場のごとく誰もが大爆笑。気づけば矢野阪神の時よりも笑顔があふれるチームになっていた。
「うちの監督、ライトスタンドで野球観てるおっさんみたいになっとるけど大丈夫か?」
そんな心配するファンの声をよそに、岡田阪神は失速することなく快進撃を続け、8月16日には早くもマジックを点灯させた。死のロードでも貯金13と一気にマジックを減らし独走態勢に入った。
そして9月14日。ベンチの最も良い席でご機嫌に応援し続けた阪神ファンのおじさんは、高々と6度、宙を舞った。
その歓喜の日から約5週間後の11月5日。オリックスを破り、日本シリーズを制覇した。岡田監督が選手だった1985年のあの日から38年もの時が過ぎていた。