ブレイザー

メジャー12年間で1366安打をマーク。35歳で来日し、南海で3年間プレイした。本名の「ブラッシンゲーム」がスコアボードに書ききれなかったため、愛称の「ブレイザー」で登録された。

得意技は「転がす」ではなく「止める」バント。思い通りの場所にボールを止めるバンドは芸術品で、プロゴルファーのパッティングに例えられることもあった。

「守備位置の意味」「投球の予測」など、一つ一つのプレイの意味を考える「シンキング・ベースボール（考える野球）」という概念を持ち込んだ。

また、より高い確率のプレイを意識する「パーセンテージ野球」を提唱。「気合と根性」の日本プロ野球界に大きな一石を投じた。

後に阪神の監督を務める野村克也はこの野球理論に心酔。南海で選手兼監督として共にプレイした際、ヘッドコーチに指名したほど。

のちにブレイザーに対し、「人は本物と出会うことによって、本物を知る」と言葉を残した。（野村はシンキング・ベースボールを下地とした、データを重視するID野球を提唱する。）

2年間、阪神の監督を務めた。（2年目シーズンは途中で退団。）

他人からの言葉には耳を貸さず、自らの野球を信じ指揮を振るった。ただ、そのことが多くのトラブルを生み、球団と軋轢が生じる結果となった。

特に監督2年目の時にドラフト1位で入団してきた超大型新人・岡田彰布の起用法は大きな問題となった。

「メジャーではルーキーをいきなり起用しない」というブレイザーと「岡田を使え」というファンが対立。これが球団、マスコミが、ファン、を巻き込んだ騒動に発展した。

暴走したファンの嫌がらせに苦しんだブレイザーは、妻が精神を病んだと会見を行い、監督を辞任した。

ただ、実際は、球団、フロント、ファン、全てに対し嫌気がさしたというのが辞任の真相だったという。

阪神監督期間は実質1年2ヶ月。（2年目シーズンは5月中旬から打撃コーチだった中西太が監督となった。）