和田豊

右打ちを武器に長年レギュラーとして活躍。低迷期にあった阪神を支えた。チームの生え抜きでは初の1億円プレーヤー。好物はカツ丼。

選手時代、監督時代、コーチ時代、一度も阪神以外のユニフォームに袖を通したことがないタテジマ一筋の野球人生を歩む。

「何もなかったオレをここまでしてくれたのはタイガースとタイガースファン」

そう語るように、とにかく熱い熱いタイガース愛を持つ。

1929打席の間、本塁打ゼロ*の期間があったように長打はほとんど期待できなかったが、そのシュアなバッティングで首位打者争いに加わることに多く、長らく1、2番打者としてチームを牽引した。

基本的に右に打球を打つため、打席に立つとファーストとセカンドの間を極端に狭くしたシフトが敷かれた。それに対し、あえてその激狭な一二塁間を狙い打つスタイルにコアな阪神ファンは酔いしれた。

2012年から4年間、阪神の監督を務めた。打撃コーチから昇格する形での就任だった。

なお、2003年のコーチ時代に自身のブログ「虎の意地」を開設し、いち早くネット向けに情報発信を開始、注目を集めた。（その後「虎の意地」はパート2、パート3と継続。2011年春まで更新された。）

監督就任時の会見で「今の戦力にほんの少しのスパイスを加えれば十分優勝争いできる」とコメントしたことから「スパイス」の愛称で親しまれた。

2014年のクライマックスシリーズでは、ファーストステージ、セカンドステージともに負け無しで勝ち上がったことから、「短期決戦の鬼」と呼ばれ、他球団からは恐れられた。（その後の日本シリーズでは1勝4敗と惨敗。「鬼」ではないことが判明した。）

自他共に認める熱狂的な松田聖子ファン。松田聖子のモノマネタレントとの不倫関係に陥るなど、少し行き過ぎた聖子ファンという一面を持つ。

このスキャンダルが報じられた際には、地味で真面目な印象が強い和田監督がまさか、と騒然となった。「チュウ」を多用した不倫相手との恥ずかしいメールも公になり、その内容で甲子園ではヤジられることもあったが、和田監督は持ち前の強いメンタルで耐えしのぎ、監督を続けた。