中西太

「怪童」の愛称で親しまれた豪打の三塁手。左の王貞治、右の中西太と並び称された。その強烈なスイングから放たれた打球は時々焦げ臭かったという。

投手の肩口を抜けたライナーがそのままバックスクリーンを越え場外に消えた平和台での一発は、オールドファンの間では語り草。なお、その時の飛距離は160メートルを優に越えていたと言う。

100キロ近い体格ながら俊足。史上最年少でトリプルスリーを達成した。

西鉄、日本ハム、阪神と3球団で監督を務めた。

阪神では1980年シーズンの5月、突如、ブレイザー監督が退団。打撃コーチから昇格する形で監督となった。このため、実質、2シーズンにわたり指揮を振るった。

阪神では監督としての結果は残せなかったが、球界一といわれた圧倒的なコミュ力を駆使し、選手と良好な関係を構築。長所を伸ばし短所を補う方針で数多くの名打者を育てあげた。

教え子の一人である掛布雅之は最多本塁打のタイトル獲得した際「ホームラン王を取れたのは間違いなく中西さんのおかげ」と語っている。